Four you ~2+2=4=2×2~
数分前の自分自身の考えを、否定したくなった。
もう鎖は断ち切られたのだ。
勝ち組になることなんて、もうどうでもよくなっていた。
今、私の周りには、私を宜ってくれるたくさんの人がいる。だから、もしも私のクラスでの立場が危うくなったとしても、ここにいれば大丈夫な気がした。
回想の涙には、そんなものも入っていた。
…雲が晴れ渡ると、そこには青空が見える。青空には白とも黄色ともつかない、言わば「光色」の太陽が浮かび、人々の目は無意識にそこにフォーカスされる。
雲が消えた私の空に浮かぶ太陽は、手塚姉妹が言っていた、あの言葉だった。
映奈は直都が好きで、若奈は聖都が好き。別々に見ればただの片想いだけど、その恋をこの四人がしているということに、大きな意味があった。
人が恋について悩むのは、自分の運命を大きく左右する出来事なのに、自分はおろかその相手にも結果が知りえないから。そう誰かが言っていたのを、聞いた覚えがある。
あんなひどいことをした私を許してくれた親友に、私がしてあげられること。それは悩みを解決してあげることだと、愚かにもこの時の私はそう思っていた。
だから、練習の合間に、何気ないフリをして二人に聞いてみた。
「聖都と直都って、好きな人おるん?」
「ん? オレら?」
「…何でだ…?」
「いや…その、おるんかな~って思って」
十中八九、いないという返事が来るだろうと思っていた。だけど、事実は小説より奇なり。二人の口から出た言葉は、想像を絶するものだった。
「誰にも言うなよ?」
「うん」
「オレ、若奈のことが好きなんだ」
「…えっ?」
「…俺は映奈…ことごとく直都とは合わないな…双子なのに…」
もう鎖は断ち切られたのだ。
勝ち組になることなんて、もうどうでもよくなっていた。
今、私の周りには、私を宜ってくれるたくさんの人がいる。だから、もしも私のクラスでの立場が危うくなったとしても、ここにいれば大丈夫な気がした。
回想の涙には、そんなものも入っていた。
…雲が晴れ渡ると、そこには青空が見える。青空には白とも黄色ともつかない、言わば「光色」の太陽が浮かび、人々の目は無意識にそこにフォーカスされる。
雲が消えた私の空に浮かぶ太陽は、手塚姉妹が言っていた、あの言葉だった。
映奈は直都が好きで、若奈は聖都が好き。別々に見ればただの片想いだけど、その恋をこの四人がしているということに、大きな意味があった。
人が恋について悩むのは、自分の運命を大きく左右する出来事なのに、自分はおろかその相手にも結果が知りえないから。そう誰かが言っていたのを、聞いた覚えがある。
あんなひどいことをした私を許してくれた親友に、私がしてあげられること。それは悩みを解決してあげることだと、愚かにもこの時の私はそう思っていた。
だから、練習の合間に、何気ないフリをして二人に聞いてみた。
「聖都と直都って、好きな人おるん?」
「ん? オレら?」
「…何でだ…?」
「いや…その、おるんかな~って思って」
十中八九、いないという返事が来るだろうと思っていた。だけど、事実は小説より奇なり。二人の口から出た言葉は、想像を絶するものだった。
「誰にも言うなよ?」
「うん」
「オレ、若奈のことが好きなんだ」
「…えっ?」
「…俺は映奈…ことごとく直都とは合わないな…双子なのに…」