Four you ~2+2=4=2×2~
第7話~平行四辺形~
「…はぁ…」
寮の部屋で、私は頭を抱えていた。
「どうしたの、詩音?」
「映奈。そっとしといてあげなよ。…ほら、詩音、パソコンの前にいるでしょ? だから多分、小説の今後の展開について悩んでるんだよ」
若奈の推理は半分正解だった。
確かに、二人にはそっとしておいてほしい。だけど、それは小説のことで悩んでいるんじゃなかった。
今ここにいる二人と、今ここにはいない二人。二人と二人で四人。その四人は、私の手に負えないようなややこしい恋模様を描いていた。
映奈は、聖都が好きで。
聖都は、若奈が好きで。
若奈は、直都が好きで。
直都は、映奈が好きで。
四人が絡む片思いなんて、そうよくあることじゃない。私だって、小説に書かなかったくらいだ。
でもそれが、現実で起きている。しかも、私のすぐ傍で。
「…」
物事に典型例というものがあるのならば、「裏目に出る」というものの典型例がまさにこれだった。
手塚姉妹の悩みを解決してあげようとして氷室兄弟に聞いてみたのに、私が負うものがさらに大きくなっただけだった。
「…あ~もうっ! やってられへん!」
寮の部屋で、私は頭を抱えていた。
「どうしたの、詩音?」
「映奈。そっとしといてあげなよ。…ほら、詩音、パソコンの前にいるでしょ? だから多分、小説の今後の展開について悩んでるんだよ」
若奈の推理は半分正解だった。
確かに、二人にはそっとしておいてほしい。だけど、それは小説のことで悩んでいるんじゃなかった。
今ここにいる二人と、今ここにはいない二人。二人と二人で四人。その四人は、私の手に負えないようなややこしい恋模様を描いていた。
映奈は、聖都が好きで。
聖都は、若奈が好きで。
若奈は、直都が好きで。
直都は、映奈が好きで。
四人が絡む片思いなんて、そうよくあることじゃない。私だって、小説に書かなかったくらいだ。
でもそれが、現実で起きている。しかも、私のすぐ傍で。
「…」
物事に典型例というものがあるのならば、「裏目に出る」というものの典型例がまさにこれだった。
手塚姉妹の悩みを解決してあげようとして氷室兄弟に聞いてみたのに、私が負うものがさらに大きくなっただけだった。
「…あ~もうっ! やってられへん!」