Four you ~2+2=4=2×2~
第8話~何ぞ恋する~
思えば、何か具体的なメッセージを込めて小説を書くなんてことは初めてだった。使命感まで感じるほどに意気込んでいたにも関わらず、いざやってみようとするとどうにも筆が進まない。
「…」
一日ゆっくり休んで、授業にはちゃんと復帰していた。だから、今までと状況は特に変わっていないはずだった。なのに、メッセージを込めるということは、それ以外の状況が変わっていないということをはねのけてしまうほど、困難を極めるものだった。
「またノイローゼになったりとかやめてよ?」
「アタシ達、かなり焦ったんだから…」
「大丈夫やって。もうあんなんならへん。てか、ノイローゼちゃうから安心して」
自分が好きな相手には、別の好きな人がいる。それを知っているにもかかわらず二人がケロっとしていられるのは、いつも隣にパートナーがいるからだろうか。
「ねぇ、詩音」
「ん?」
「今どんな小説書いてるのか、見せてよ」
筆が進んでいる時には、私は爆発的な集中力を発揮する。だがひとたび筆が止まると、ずっとだらだらと話し続けていたいと思ってしまうほど、散漫になってしまうのだった。
「えっと…『Four you ~2+2=4=2×2~』…恋愛もの?」
「もうちょっとで完結するんやけど、最後に何かメッセージ入れときたくて…」
「メッセージ?」
「う~ん…何て言うたらええんかよう分からんけど…人は一人じゃない、みたいな、そんな感じの名言を入れてみたくなってん」
「さすが作家先生、ちゃんとそういうのも考えてるんだね~」
「ちゃんとって何よ…」
「ゴメンっ! 悪気はないから…ね、映奈?」
「うん…」
「何や、冗談やって、冗談。すぐ信じてまうねんから…」
こんな会話を続けていられるのも、私達が一人じゃないからだ。孤独というものは、色んなことを邪魔する。
そして、その「一人じゃない」の最たるものが…恋愛である。
「…」
一日ゆっくり休んで、授業にはちゃんと復帰していた。だから、今までと状況は特に変わっていないはずだった。なのに、メッセージを込めるということは、それ以外の状況が変わっていないということをはねのけてしまうほど、困難を極めるものだった。
「またノイローゼになったりとかやめてよ?」
「アタシ達、かなり焦ったんだから…」
「大丈夫やって。もうあんなんならへん。てか、ノイローゼちゃうから安心して」
自分が好きな相手には、別の好きな人がいる。それを知っているにもかかわらず二人がケロっとしていられるのは、いつも隣にパートナーがいるからだろうか。
「ねぇ、詩音」
「ん?」
「今どんな小説書いてるのか、見せてよ」
筆が進んでいる時には、私は爆発的な集中力を発揮する。だがひとたび筆が止まると、ずっとだらだらと話し続けていたいと思ってしまうほど、散漫になってしまうのだった。
「えっと…『Four you ~2+2=4=2×2~』…恋愛もの?」
「もうちょっとで完結するんやけど、最後に何かメッセージ入れときたくて…」
「メッセージ?」
「う~ん…何て言うたらええんかよう分からんけど…人は一人じゃない、みたいな、そんな感じの名言を入れてみたくなってん」
「さすが作家先生、ちゃんとそういうのも考えてるんだね~」
「ちゃんとって何よ…」
「ゴメンっ! 悪気はないから…ね、映奈?」
「うん…」
「何や、冗談やって、冗談。すぐ信じてまうねんから…」
こんな会話を続けていられるのも、私達が一人じゃないからだ。孤独というものは、色んなことを邪魔する。
そして、その「一人じゃない」の最たるものが…恋愛である。