Four you ~2+2=4=2×2~
「…鷺沢…?」
澄玲の体が、指先から震え始める。
「何だ、知り合いか?」
頼久の問いかけにも、澄玲は応じる気配もない。
「…なるほどね…。どうやら刑事さん達の言ってたこと、間違いじゃなかったみたいだな…!」
そう言うと、男は一目散に逃げ出した。
「あっ、待て!」
刑事達が一斉に追いかけるが、澄玲はそこに立ちすくんだままだった。
「遠山! 何やってるんだ!」
他の刑事同様走っていた頼久が、踵を返して澄玲に怒鳴る。
「…うぅ…」
「おい!」
「…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
この時、澄玲の脳裏には、能力に目覚めてからの悲運という二文字では片付けられないような体験がめまぐるしくほとばしっていた。あの男が、自分の能力が目覚めるきっかけとなった開司であることに間違いはなかった。自分をこんな運命に巡り合わせた開司を、そして自分自身を呪っていた。
「…つまり、鷺沢のせいで自分の能力が目覚めたから、トラウマを呼び起こして錯乱してしまった…と、そういうことか?」
「…はい…」
警視庁に戻り、頼久と話す澄玲の声は力なく、目には一条の光もなかった。
「…捜査に私情を挟むなっていつも言われてたのに…本当にすみません…」
結局のところ、開司は逃亡してしまった。自分が知り合いでさえなければ逮捕できたのに。自分を責めるのも、もはや当然のことだった。
澄玲の体が、指先から震え始める。
「何だ、知り合いか?」
頼久の問いかけにも、澄玲は応じる気配もない。
「…なるほどね…。どうやら刑事さん達の言ってたこと、間違いじゃなかったみたいだな…!」
そう言うと、男は一目散に逃げ出した。
「あっ、待て!」
刑事達が一斉に追いかけるが、澄玲はそこに立ちすくんだままだった。
「遠山! 何やってるんだ!」
他の刑事同様走っていた頼久が、踵を返して澄玲に怒鳴る。
「…うぅ…」
「おい!」
「…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
この時、澄玲の脳裏には、能力に目覚めてからの悲運という二文字では片付けられないような体験がめまぐるしくほとばしっていた。あの男が、自分の能力が目覚めるきっかけとなった開司であることに間違いはなかった。自分をこんな運命に巡り合わせた開司を、そして自分自身を呪っていた。
「…つまり、鷺沢のせいで自分の能力が目覚めたから、トラウマを呼び起こして錯乱してしまった…と、そういうことか?」
「…はい…」
警視庁に戻り、頼久と話す澄玲の声は力なく、目には一条の光もなかった。
「…捜査に私情を挟むなっていつも言われてたのに…本当にすみません…」
結局のところ、開司は逃亡してしまった。自分が知り合いでさえなければ逮捕できたのに。自分を責めるのも、もはや当然のことだった。