Four you ~2+2=4=2×2~
「悪い、待たせたな」
目の前に刑事がいるにもかかわらず、開司は余裕綽々といった様子だった。
「…追われてる詐欺師が、刑事に何の用?」
「刑事さんに用があるってわけじゃない」
開司の手が澄玲の内ポケットに伸びる。一度は払いのけた澄玲だったが、もう一度伸びてくる手を払おうとはしなかった。
「俺は」
開司の手には、澄玲の警察手帳が握られていた。
「刑事としてのお前じゃなくて、昔友達だったお前と話がしたいんだ」
「…どういう意味?」
「遠山」
開司の瞳は、詐欺師のそれとは思えないほどにまっすぐだった。
「…ゴメン!」
人目も気にせず、開司は深々と頭を下げた。
「ちょっ…いきなりどうしたの?」
「俺のせいで辛い思いさせて…本当にゴメン!」
その一瞬でどれほどの想いが爆発したのだろうか、開司の声は号泣そのものだった。
「何なの、一体…」
戸惑う澄玲だったがしかし、その瞬間に開司の心とリンクした。
…そして心を語りながら、澄玲もボロボロと泣き崩れた。開司が思い続けてきたこと、それは鉛よりもなお重く、水晶よりもなお澄んでいた。
目の前に刑事がいるにもかかわらず、開司は余裕綽々といった様子だった。
「…追われてる詐欺師が、刑事に何の用?」
「刑事さんに用があるってわけじゃない」
開司の手が澄玲の内ポケットに伸びる。一度は払いのけた澄玲だったが、もう一度伸びてくる手を払おうとはしなかった。
「俺は」
開司の手には、澄玲の警察手帳が握られていた。
「刑事としてのお前じゃなくて、昔友達だったお前と話がしたいんだ」
「…どういう意味?」
「遠山」
開司の瞳は、詐欺師のそれとは思えないほどにまっすぐだった。
「…ゴメン!」
人目も気にせず、開司は深々と頭を下げた。
「ちょっ…いきなりどうしたの?」
「俺のせいで辛い思いさせて…本当にゴメン!」
その一瞬でどれほどの想いが爆発したのだろうか、開司の声は号泣そのものだった。
「何なの、一体…」
戸惑う澄玲だったがしかし、その瞬間に開司の心とリンクした。
…そして心を語りながら、澄玲もボロボロと泣き崩れた。開司が思い続けてきたこと、それは鉛よりもなお重く、水晶よりもなお澄んでいた。