Four you ~2+2=4=2×2~
文化祭でやる演劇の練習も、もう後半戦に入っていた。場面ごとに練習し、練習していないメンバーは舞台装置を作る。この一週間は、ずっとこんな感じだった。
「…ふぅ…何か肩凝るわ…」
次の場面では、私の出番はない。少し水を飲み、舞台装置の作製に取り掛かる。
「詩音ちゃん、ここTURNさせるからSTRINGは逆向きネ!」
「えっと…こんな感じですか?」
「YES!」
「津田さん、ここのペイント、手伝ってもらえる?」
「はい!」
「あっ、えっと…それが終わったら、テープを追加で持ってきてもらってもいいですか?」
「分かりました、結衣先輩!」
部活の時間は慌ただしく過ぎ去っていく。そのため、ここのところ、手塚姉妹と氷室兄弟の恋愛模様を覗き見る時間もなかった。
「じゃあ、今日は終わり! 皆でご飯食べよ~!」
「オー!」
部員九人に尾張先生を加えた十人が、ゾロゾロと食堂に向かう。数か月前までは縁遠かった「青春してる」という感覚を、肌で感じるような気分だった。
「どれにしようかな~…」
一応迷ってはみるけれど、そうなった時に私が取る選択肢は決まっていた。
「…詩音、今日もそばめし?」
「よく飽きないよね…よし、じゃあアタシはこれにしよっと」
手塚姉妹が怪訝そうな顔をする。…もしかして、迷った時にそばめしを選んでしまうあたりに、関西人感が出てしまっているのだろうか?
「別にええやんか、おいしいんやし」
「あら~、詩音ちゃん、褒めてくれるやなんて嬉しいわ~」
おばちゃんにも聞こえていたらしく、厨房の向こうから聞こえた声に私は少し顔を赤くした。
「…ふぅ…何か肩凝るわ…」
次の場面では、私の出番はない。少し水を飲み、舞台装置の作製に取り掛かる。
「詩音ちゃん、ここTURNさせるからSTRINGは逆向きネ!」
「えっと…こんな感じですか?」
「YES!」
「津田さん、ここのペイント、手伝ってもらえる?」
「はい!」
「あっ、えっと…それが終わったら、テープを追加で持ってきてもらってもいいですか?」
「分かりました、結衣先輩!」
部活の時間は慌ただしく過ぎ去っていく。そのため、ここのところ、手塚姉妹と氷室兄弟の恋愛模様を覗き見る時間もなかった。
「じゃあ、今日は終わり! 皆でご飯食べよ~!」
「オー!」
部員九人に尾張先生を加えた十人が、ゾロゾロと食堂に向かう。数か月前までは縁遠かった「青春してる」という感覚を、肌で感じるような気分だった。
「どれにしようかな~…」
一応迷ってはみるけれど、そうなった時に私が取る選択肢は決まっていた。
「…詩音、今日もそばめし?」
「よく飽きないよね…よし、じゃあアタシはこれにしよっと」
手塚姉妹が怪訝そうな顔をする。…もしかして、迷った時にそばめしを選んでしまうあたりに、関西人感が出てしまっているのだろうか?
「別にええやんか、おいしいんやし」
「あら~、詩音ちゃん、褒めてくれるやなんて嬉しいわ~」
おばちゃんにも聞こえていたらしく、厨房の向こうから聞こえた声に私は少し顔を赤くした。