Four you ~2+2=4=2×2~
第11話~気づいてた~
「じゃあ、行ってくるね」
「ちゃんとアドバイスしてよ?」
寮の部屋から出る手塚姉妹を、ドアの傍から見送る。
「うん。ほな、行ってらっしゃい」
私はせっかくの休日を学校で過ごすことになるのだが、まぁしょうがない。これが二人のためでも、私のためでもあるんだから。
スマホをパソコンに繋ぎ、カメラの映像を画面に映し出す。
「ちゃんと映っとるよね…よし、大丈夫」
二組のデート場所は、映奈・聖都ペアが遊園地、若奈・直都ペアが動物園となっていた。氷室兄弟は寄る所があるとのことで、手塚姉妹より一足先に寮を出ていたため二組とも現地集合となっていた。
「…思ったより暇やな…」
寮から待ち合わせ場所まではおおよそ一時間程度。一時間なんて、普段はあっという間だが、休日の一時間となると恐ろしく長いものになる。
だけどその一時間を、それどころか今日一日を、光のように早くしてくれる人がいた。
教室に置いておいた教材類を寮の部屋に持って行こうと外へ出た時、遠くの方に尾張先生が立っている姿が見えた。
「先生!」
呼んでみると、先生は振り返って、私を認めて手を大きく振ってくれた。
「何してるの、こんな所で?」
「えっと…教室に置いておいた教科書とか参考書とかを、寮の部屋に持って行こうかな~って」
「休日なのに勉強? 遊びに行かないの? 私服持ってるでしょ?」
「そうなんですけど…ちょっと用事があって」
「用事?」
「…誰にも言わんといて下さいね?」
流れるように出た私のその言葉が、私自身には衝撃的でならなかった。普通なら秘密にしておくことを、尾張先生には何のためらいもなく言うつもりになれたのだ。
「ちゃんとアドバイスしてよ?」
寮の部屋から出る手塚姉妹を、ドアの傍から見送る。
「うん。ほな、行ってらっしゃい」
私はせっかくの休日を学校で過ごすことになるのだが、まぁしょうがない。これが二人のためでも、私のためでもあるんだから。
スマホをパソコンに繋ぎ、カメラの映像を画面に映し出す。
「ちゃんと映っとるよね…よし、大丈夫」
二組のデート場所は、映奈・聖都ペアが遊園地、若奈・直都ペアが動物園となっていた。氷室兄弟は寄る所があるとのことで、手塚姉妹より一足先に寮を出ていたため二組とも現地集合となっていた。
「…思ったより暇やな…」
寮から待ち合わせ場所まではおおよそ一時間程度。一時間なんて、普段はあっという間だが、休日の一時間となると恐ろしく長いものになる。
だけどその一時間を、それどころか今日一日を、光のように早くしてくれる人がいた。
教室に置いておいた教材類を寮の部屋に持って行こうと外へ出た時、遠くの方に尾張先生が立っている姿が見えた。
「先生!」
呼んでみると、先生は振り返って、私を認めて手を大きく振ってくれた。
「何してるの、こんな所で?」
「えっと…教室に置いておいた教科書とか参考書とかを、寮の部屋に持って行こうかな~って」
「休日なのに勉強? 遊びに行かないの? 私服持ってるでしょ?」
「そうなんですけど…ちょっと用事があって」
「用事?」
「…誰にも言わんといて下さいね?」
流れるように出た私のその言葉が、私自身には衝撃的でならなかった。普通なら秘密にしておくことを、尾張先生には何のためらいもなく言うつもりになれたのだ。