Four you ~2+2=4=2×2~
その後、二人は絵に描いたような「遊園地デート」を楽しんだ。途中、お昼ご飯を食べる時に映奈は髪を元に戻し、若奈の仮面を脱いだ。…私がここから指示を飛ばすことはなかった。

「…ねぇ」

帰りの電車。お土産袋を手に持った聖都に、映奈が尋ねる。

「…何だ…?」
「えっと…こんなこと言うのもアレなんだけどさ…」

映奈が言葉を濁らす。

「…今日…楽しいって思った?」
「…どういう意味だ…?」
「聖都…全然楽しそうじゃないもん」

確かに、聖都から楽しんでいる様子を察するのは難しかった。ジェットコースターでも声一つ上げなかったのだから驚きだ。

「…楽しいと思ってるけど…?」
「…何か嘘っぽい」

映奈の返事も素っ気ないものとなる。

「…とは言っても…」

聖都にしては珍しく、映奈の言葉を遮るような言い方だった。

「…俺が楽しいと思ってるのは…お前だ…」
「私?」
「…楽しそうにしているその顔を見ると…俺も楽しくなる…」

カバンに忍ばせておいたカメラは、奇跡的に聖都の顔を映していた。そしてそこには、照れ臭そうにしながらもはにかむ聖都の顔が、確かに映し出されていた。

「…ゴメンね、聖都。楽しんでないって言っちゃって…」
「…謝らなくていい…」

顔がフレームアウトする。この角度だと…二人の顔は、かなりの至近距離だ。

「…そんな顔してるお前を見るために…俺はいるんじゃないからな…」
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