Four you ~2+2=4=2×2~
第12話~ある一時間~
「…」
四人が部屋に戻った後も、私はこの場で動けずにいた。先生に助けられた私が、これ以上ないくらいに情けなくて、どんな顔をしていればいいのかも分からなかった。
「そんなに深く考えなくていいと思うよ」
先生の言葉も、耳に届いているようで、実は全然届いていなかった。
「…」
デート中にどれだけ恋が進展したのか、私は知らない。だけど、どれだけ進展していたとしても、私が何やら計画を企てていたと知った時点で、恋心がどんどん熱を失っていってしまうように思えてならなかった。
…どれくらい時間が経ったのだろうか、もう外は闇に覆われていた。
「…そろそろ戻る?」
先生はずっと私の傍にいてくれていたらしい。
「…戻りたいですけど…どない言うて戻ったらええんか…」
「戻りにくかったら、僕も一緒に行くから」
というわけで、私は先生と一緒に、つまりまたもや先生に助けられながら、部屋に戻ることを決めたのだった。
「…」
ドアをノックする手が震えて、変な音になる。
「は~い…」
ドアが開く。出てきたのは映奈だった。
「詩音…」
映奈の目が丸くなる。だけど私は何て言えばいいのか分からず、ただそこに立っているばかりだった。
「いつまでもあそこにいるわけにはいかないから、とりあえず戻ったら? って思って…半ば僕が強引に連れてきたんだ」
私の腕に、映奈の手が触れる。いっそ振り払ってしまった方が楽か、と思う前に、その手はがっしりと握られた。
四人が部屋に戻った後も、私はこの場で動けずにいた。先生に助けられた私が、これ以上ないくらいに情けなくて、どんな顔をしていればいいのかも分からなかった。
「そんなに深く考えなくていいと思うよ」
先生の言葉も、耳に届いているようで、実は全然届いていなかった。
「…」
デート中にどれだけ恋が進展したのか、私は知らない。だけど、どれだけ進展していたとしても、私が何やら計画を企てていたと知った時点で、恋心がどんどん熱を失っていってしまうように思えてならなかった。
…どれくらい時間が経ったのだろうか、もう外は闇に覆われていた。
「…そろそろ戻る?」
先生はずっと私の傍にいてくれていたらしい。
「…戻りたいですけど…どない言うて戻ったらええんか…」
「戻りにくかったら、僕も一緒に行くから」
というわけで、私は先生と一緒に、つまりまたもや先生に助けられながら、部屋に戻ることを決めたのだった。
「…」
ドアをノックする手が震えて、変な音になる。
「は~い…」
ドアが開く。出てきたのは映奈だった。
「詩音…」
映奈の目が丸くなる。だけど私は何て言えばいいのか分からず、ただそこに立っているばかりだった。
「いつまでもあそこにいるわけにはいかないから、とりあえず戻ったら? って思って…半ば僕が強引に連れてきたんだ」
私の腕に、映奈の手が触れる。いっそ振り払ってしまった方が楽か、と思う前に、その手はがっしりと握られた。