押しかけ社員になります!

部長はとても情熱的で…時に甘く、囁き…そして優しく私を愛してくれた。何度も意識も遠くなりかけ、溶けてしまいそうになった。…もう、身体に力が入らない。

「西野…良過ぎる。あぁ…ずっと…離したくなくなる…」

私もって…返事はしたいけど…出来ない。…もう、駄目。本当に…もう、無理です。


フワフワと充たされた温かい中、目が覚めた。温かいのは部長の胸の中に居たからだった。
はぁ…部長、眠ってる?
少し高い位置にある部長の顔…。
……綺麗な顔…。見ているだけでドキドキしてくる。手を伸ばし頬に触れてみた。眠っていても色っぽい…。はぁ。私…部長と、とうとう。
はぁぁ。部長…。好き…。
いつも私より先に起きてしまうから、こうしてマジマジと瞼を閉じている顔を見るのは初めてかも知れない。…キスする時は私も瞼を閉じてしまうものね。ずっと見ていたい…。

あ、…キス……。深くて探られるような甘い感触…思い出しちゃった。はぁ…。何だか…身体のどこも敏感になっている気がする。…熱い。

…ちょっとだけ。
部長の唇に軽く唇で触れた。…、はぁ、奪っちゃった…。
…。馬鹿ね、自分からドキドキする事して…。
少しある目尻のシワもいいな。…凄く素敵。睫毛も長~い。本当に綺麗…。
男の人って、睫毛長い人、多いのよね。触ったら起きてしまうかな。
お風呂上がりの無造作なままの髪の毛…。スッとした首…、喉元も好き。色っぽい。…。はぁ、ドキドキする。
さっきから部長を眺めて、何を考えているのだろう。私、エロいのかしら。部長の唇を見てしまうと、身体がまた…熱くなってしまう。私ったら…。
少し部長の身体に身体を寄せた。

「…もう、いいのか?」

…え゙っ?

「部長!」

いつから起きてたの?私の緩み切った顔、見られてたのね…。それどころか…く、ち、キスした事、気付かれたかしら…。気付かれてるよね。

「随分と俺の顔、観察していたようだが、もういいのか?感想でも聞かせて貰おうかな…キスの」

キャー…。やっぱりバレてる。

「…部長~」

恥ずかしい。…きっとずっと前から起きてたのよ。起きていたけど静かに瞼を閉じていたのよ。ほっぺもペターッて触ったし…。起きるよね、普通。

「フッ…何だ?」

「好きです」

「あ…。はぁ…西野…。…参った…」

「……あの…」

「ん、何だ?」

「…あの…どうでしたか?……部長は…良かったですか?…相性。私は良かっ…」

「ああ、凄く…」

気持ち良かった、と甘く囁かれ、抱き寄せられた。はぁぁ…身体の奥が一瞬でジンと熱くなった。
あぁ、もー、目眩がします、部長~。低い声にも痺れます。ゾクゾクします。
横になっているのに、…腰が抜けてしまいそうです。
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