押しかけ社員になります!
西野…、本当に眠ってしまったな。…俺が悪いんだけど。
俺の言った事、間違いだとは決して思っていない。好きなら居たいだけ一緒に居る、それでいいと思った。それが自然だ。西野が、というよりも、俺が帰したく無かったんだ。
溺れてしまう…か。俺の方がとっくに溺れてたよ。好きだと思ってから攻め始めたのは俺の方が早いと思う。
「…西野。…西野。そろそろ起きないか…。西野…」
う、う、ん…。背中…手が触ってる…。
「ぶ、ちょ…」
「西野…。俺はこっちだ。抱きしめているのは枕だ」
「う、ん…部、長?」
「ご飯作ってみた。起きて食べてみないか?そろそろ腹の虫が鳴く頃だろ?」
ぐーっ。
「あ゙……恥ずかしい…見事にご飯て言葉に反応してしまいました…」
…もう恥ずかしい。
「まあまあ。健康でいいじゃないか。起き上がれるか?シャワーしたいだろ」
「…はい。…大丈夫かと」
だけど…何だか身体が思うようにならない。取り敢えず、起き上がってベッドに腰掛けようと思うのだけど。気持ちに身体がついて来ない感じ。下半身が…。
「…部長。何だかちょっと変です」
腰に力が入らない…というか、足。立ち上がったら転んでしまいそう。
「ん、解った。……すまんな」
え?え?
「部長~!待って。何か着ます。…せめて下着だけでも。…駄目ですよ?一緒には入りませんよ?」
「解ってる。運ぶだけだ。ゆっくり浸かってろ。…溺れるなよ?出る時にまた呼んでくれ」
抱き上げて運んだ。恥ずかしがるから俺のワイシャツを簡単に羽織らせた。
多分出る時は自力で出られるはずだ。今だって、ゆっくり歩けば、歩けない訳じゃない。
「はい。あ、ご飯って何ですか?」
「ん?出てからのお楽しみだ。勿体付けるほどの物では無いがな」