押しかけ社員になります!

「西野、シャンパンは大丈夫か?どうだ?」

「あー…程々になら、いけると思います」

「なら少し飲むか」

この間の花見の件もある。本当に気をつけて飲まなければ。また醜態を晒してしまう。それに今は…体が疲れている。少しにしておこう。

グラスに注いでくれた。

「…あ、フルーティで、美味しい…」

「そうか、まあ、食前酒みたいなものだ」

「部長?」

「何だ?」

「少し聞いて頂きたい事が」

「うん」

「私、もしこのまま順調に部長とお付き合いが長く続けられたら、まず半同棲みたいに、しばらく暮らしたいです」

「それは入籍をしないと言う事か?」

「はい」

…。

「そうしたい理由は?」

「はい。全くプライベートな時間で会えないのは寂しいから、たまにはお泊りもご飯も一緒にしたいですし、朝、いってらっしゃいも言いたいんです。でも、まだまだ少しの緊張感もありながらのドキドキもしたいんです。…結婚したから、即、その日からドキドキしなくなるなんて事は無いんですけど、意識は変わるかも知れません。…それは、まだ…先にしたいんです。
我が儘ですね?自分の意思ばかり優先しようとして」

「んんー、そうだな、…少し、保留。考えさせてくれ。今すぐの、目の前の問題でも無いから、今、聞いて、即決はしたくない」

いつかは来る問題なんだが。


ご尤もです。

「大丈夫です。解りました」
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