押しかけ社員になります!

ひ、秘書ぉ?…どうして…?。

「あの、いきなり、話が飛んで、益々、頭がついていけてません」

「んー、そうだな。まあ、追い追いに。そんなに大袈裟なものでも無い」

大袈裟では無い秘書?それは…何も出来ない秘書?まだ全然よく解らない話…。追い追いかぁ…。その内、纏めてドカンと来そうで、ちょっと怖いな。部長の呟きは軽く無いからな~。

「…何か今の内にしておいた方がいいのでしょうか?」

「んー、…別に無いかな」

「そうですか」

何ですか?何かを避けたような、フワッとした話…。揺さぶるだけ揺さぶっておいて。もう。絶対、何か言おうとしている事があるんだ。…怖いわ~。

あ、そろそろバスローブ、着替えようかな。もう充分、汗もひいてるし。…下着だって着けたい。…こんなスースーした格好のまま、真面目に話していたなんて…。楽過ぎてすっかり忘れていた。
……ロールキャベツ美味しかったな。

「部長、美味しかったです、ご馳走様でした。片付けは私がしますね。その前にちょっと…着替えて来ます」

「俺も一緒にするよ」

ん?一緒にって、いくら何でも片付けの事よね。


「珈琲入れておいたぞ。それと、これ」

あ、ミルフィーユ!

「冷凍のフォカッチャ、買うついでに買ったんだ」

「サイズが凄く食べやすく作ってあって嬉しいです。頂きます。…美味し~い」

チーズ風味のカスタードに苺がサンドされている。美味しい。

「…幸せそうに食べるな…」

あ、…。いけない。パクッと…食べてしまった。

「すみません。…恥ずかしい」

一応、口を押さえながら話した。

「何故謝る。謝るなんておかしいだろ」

「でも…」

上品にスマートに食べなければ…年齢的にも、正直もうキツイですから…。それに…表立った場所なら、これからは部長に迷惑になる事にもなる…。
少しずつでも直していかないと。
< 119 / 192 >

この作品をシェア

pagetop