押しかけ社員になります!
ん、ん…?…手。あ、部長…。
気が付けば部長も横になっていた。シングルベッドくらいの大きさはあるであろうソファー。
後ろから抱かれていた。回された部長の腕は、胸の下、お腹の辺りで組まれていた。
大きい手、指…長い。組まれた手に手をのせてみた。浮き出た血管、…骨ばった甲。指先でなぞってみた。
「……西野…」
あ…。部長、起きていたのね。ペタペタ触って…私、またエロい部分さらけ出してしまったじゃない。
「ごめんなさい…つい…」
「…知ってるか。手は…感じるんだぞ?ここを…こんな風に、な。どうだ…感じないか?」
あ、確かに…くすぐったいような。でも違う…。ゆっくりと触れられるのと、手を繋ぐ握るのそれとは…全然違う。ゾクッとするような妙な感覚に襲われる。
「手もですが、部長の息、声も…」
少し息がかかるだけで、声を聞くだけで、身体がおかしいくらい…感じてしまう。
「それは…仕方ないさ。ずっとし続けたから…その影響だ…」
あ、今も…首の辺りで喋る部長の体温のある息、声がかかる度、身体がジンジンしてくる。
…これ以上一緒に居ては、まずい。非常にまずいわ。
「ぶ、部長、ぼちぼち出掛けませんか?」
「…うん。そうだな。出掛けられなくなりそうだから、出掛けよう」
おかしいくらいに意味は解った。
「ちょっと、顔…確認して来ますね」
…はぁ。