押しかけ社員になります!
…部長、…私は、…もう部長無しでは居られない…。そんな身体にされてしまいました。どうしてくれるんですか?完全な骨抜きになってしまいましたよ?
「はぁぁ…」
長くて熱い溜め息が洩れてしまった。
「…いいか?」
はい…。…いいですよ。
「でも、まだだ…」
…えっ、…そんなぁ。まだ?
「ん…部長ぉ?…」
「フ。…まだ、だ」
部長が部長だ。これは仕事中の部長と同じよ。…とんでもなく、いじめる。だから、よ。
こんなに…追い込んで…。こっちから求めたくなるのよ…。こんなにした責任取ってくださいと言ったら、きっと、もっといじめられてしまう…。
もー、…部長め。
「…どうした?何を怒っている…ん?」
どうして怒ってるって解るの?…あっ、そんな顔つきしてるのかしら。
「西野は隠せないよ。…解りやすい。そんな顔したりするから…余計やめられない…」
あ、…部長…。もう降参です…。
「西野…、朝、何もしなくていいから、ギリギリまで寝ていろ。起きて着替える時間があればいいだけだ」
部長に抱き寄せられて、胸にのせた私の頭を撫でていた。
少し上を仰ぐと、ん?て顔をする。もぅ、この顔好き…。
「駄目ですよ。お化粧する時間は必要です。すっぴんでいいのですか?」
勿論、部長がいいと言っても、ワタシ的にはそういう訳にはいかない。
「ん~。俺は西野のすっぴん好きなんだけどな。これは俺だけの特権だからなぁ。他の奴には見せない。だったら化粧する時間は必要か。
すっぴんて、ちょっと幼くなって可愛いよな、…って……ん?」
……寝てる。まあ、寝られるように企んだんだけどな。…やり過ぎたな。…可愛い顔するからいけないんだ。…。
「おやすみ…和夏。…ごめんな」
…はぁ。俺だって西野に骨抜きなんだぞ。