押しかけ社員になります!

「今日は襲わないって、言い聞かせていたんだが。…仕掛けたのは西野だからな…」

言い終わるとすぐ反対に手を取られた。今度は上からだ。背の高い部長の口づけに襲われた。
離した手は腰に回され囲い込まれた。ん、ん…甘い。私のよりずっと甘い。…劇的に甘いです。

「…西野、あっちとこっち、どっちがいい?」

あっちはベッド。こっちは…このテーブル?
いやいや、あっちもこっちも…今はどっちも無しです。今から本物のスイーツを食べるんだから。

「んん…ん。はぁ、どっちも無しです。ケーキを食べるんですから。せっかく部長が用意してくれたのに…頂かなければ罰が当たります」

…チュ。

「…ね?先に頂きましょう?私の珈琲も入れて貰っていいですか?」

…先って言ったな、西野。墓穴を掘ったぞ。…こんな…キスで誤魔化したつもりだろ。

「…解った。じゃあ、後で、な」

別に襲いはしない。言ってみてるだけだ。

「一人にして悪いけど、俺、風呂に入って来る」

「はい。どうぞ。私は大丈夫です。ここで堪能してますから」

珈琲を飲み終えると、部長は内風呂に入りに行った。


食べて残った物は…あ、ガラス張りの冷蔵庫がある。
ここに入れていいわよね。
部長、本当に色々と手配してくれてて、流石ですね。
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