押しかけ社員になります!
「西野の方こそ、俺が疲れさせ過ぎたと思ってな…」
「私は嘘も隠しもなく、元気です。恥ずかしいくらい爆睡しましたから」
「そうか」
「部長…一緒に…入っても…」
「ん?」
「一緒に入ってもいいですか?」
「構わないけど、無理する必要は無いぞ?」
「はい。恥ずかしいけど無理ではありません」
「…フ、そうか。じゃあ、俺は入って待ってる」
「…はい」
部長は中に戻ると明かりを消してくれた。
服を脱ぎ、浴室に入った。
あ…、月が上ったんだ。天窓から月明かりが淡く照らしていた。
お湯を掛けて脚からそっと湯舟に入った。
表面に出来た水の輪が、身体を沈めると小さな波となって、広がり消えていった。
こちらに背を向けたままの大きな背中に、そっと腕を回して身体を合わせた。
…西野。…。
「……部長…月が…幻想的ですね。さっきは無かったのに。何だか…滲んで大きく見える気がします」
もう、ドキドキしていた。背中から伝わっているだろう。
「ああ。…西野、こっちに…」
回した腕を解かれ、部長の前に移動するように促された。
浸かったまま移動して座ると、後ろから抱えるように腕を回された。
はぁ、…これだけで逆上せて終いそう。もう身体全体でドキドキと煩い。
「少し温めにしてある。大丈夫か?」
「…はい。お湯が柔らかくて気持ちいいです」
はぁ。内側が熱った身体には正直よく解らない。水風呂だって平気かも知れない。それはちょっと言い過ぎだけど。
……柔らかい…。白くて滑らかで…綺麗な肌だ。ほんのりと色付いてきた感じが…、何とも堪らない。
髪を緩く上げている細い首筋に唇で触れた。
触れた瞬間、短くか細い声が洩れた。首を僅かに竦め、身体が少しビクッとしたのが解った。
はぁ…。ギュッと抱きしめた。肩を唇で軽く食み、背中へ…、お湯から出ているギリギリまで唇で触れていった。
ん…、はぁ…。首筋を食みながら、少し被さるように抱きしめ、柔らかい膨らみに触れた。
…はぁ、部長…。顎に手を掛けられて少し捻られた。
唇が塞がれてしまった。
熱い…。深く口腔を探られる。ん…。上顎をゆっくりと舌先でなぞられる。はぁ…もう…声が…出てしまいそう。駄目…このままでは力が抜けて、本当の意味で溺れてしまうかも…。
「ん…、部、長…もう…」
身体ごと捻り部長にしがみついた。
「俺も限界だ。上がるぞ」
抱き上げられてベッドに運ばれた。
「今日はシないつもりだったけど無理だな。…負けた」
私の身体を気遣ってだ。
「部長…沢山シたいです。…駄目?」
「…西野。はぁ…。そんな事言って。どうなっても知らないぞ…」
「はい。どうなってもいいです」
部長に身を預けてしまいたい。だって、もう…甘くて、蕩けてしまいました。
「西野…」
もっと溶けてしまいたい。