押しかけ社員になります!
始まってから時間もかなり経った。周りを見渡して見た。
やっぱり…部長は、まだのようだ。
今日は参加は難しいとは聞いていた。別の会合があるらしい。
部長だもんね。社外の用の方が多いのは当たり前。
早く終われば顔出しはするからと言っていたようだ。
まず無理だろう。
「おい、西野ぉ、飲んでるか?
こんな時こそ憂さ晴らししとけよ?」
「ハハハ。特に憂さなんて無いけど?」
…もう、加藤め。だから酔った奴は…面倒臭い。からんで来るな。
「はぁ?あんなに部っ長ーに叱られてるのに?
平気ぃ?
だったらスゲーMだな、どMだよ、西野ぉ。お前はどMだー」
「おい、馬鹿、加藤…やめろ。
すまん西野、こいつ飲み過ぎだ」
「大丈夫。はい、はい。どMで結構ですよ」
もう、帰ろうかな…。まともに相手をする方が疲れる。
「あ、綾子ちゃんごめん。私、そろそろ帰るね」
丁度料理を取りに来た後輩に声を掛けた。
「解りました。お疲れ様でした、おやすみなさい」
「うん、ごめんね、じゃあね。おやすみ」
この流れで帰ったら、加藤のせいで帰ったと思われるかも知れない。
そんな弱い私じゃありません。
あー、私が弱いなんて誰も思ってないんだった。むしろ、逆だった。
ふぅ。…顔が火照ってきた。
桜色のシャンパンが美味しくて、つい飲み過ぎたようだ。
足元、気をつけないと…。
屋上を後にして、エレベーターを待っていた。
丁度昇って来ていた。…早く…来て…帰りたい…。
ふぅ。もう…なんだか…眠くなって来たな…。明日、休みで良かった…。
帰ったら…ベッドに…ダイブ…しよう。
チン。…来た…。開いたぁ…。ふぅ。
「うわっ。おっと…大丈夫か?誰だ?
…西野、西野か?
おい、大丈夫か?西野?西野?」