押しかけ社員になります!
…ゔゔ、…どうして…運が無いの…。今までこんな事無かったのに。どうしよう…。
伝える術が無い。
ランチタイム後、化粧室に向かい…、始まってしまった、生理…。
どうすれば…どうやって伝えよう。行くのは止めるべきよね?
…だって、訪問するって事は当然…する事前提でもある事だもの。ゔゔん…。悩ましい。いけない…、仕事中は仕事。
帰ってから考えよう。…考えても答えは出ないと思うけど。悩む時間があるなら、早く終わらせて早く帰ろう。
…はぁ、どおりでここ数日、食欲があると思った。昨日の夜は凄い睡魔に襲われたし…。
そういえば、蜜柑も凄い食べたし、チョコレートも食べたくなってコンビニに買いに行ったし。よく考えたらいつもの、始まる兆候、パターンなのに…。
……。部長のせいだ。部長が狂わせたんだ。間違いない。今までになかった部長との濃い接触が、私のホルモンを過剰に放出させたんだ。ずっと規則正しかったのに…。
あー、もう、腰が…鈍痛がする。
帰るわよ。今日は定時に帰る。帰って唸ってやる。
「西野~」
えー、呼びます?……しかも、穏やかなんですけど。…でも、このタイミング、素晴らしいんですけど。
「あはい、はい」
あれ?ここ?部長のデスクですよ?移動はしない、会議室行かないんだ。
「…どうした、なんだか…唸ってただろ…」
何故だか声のトーンは若干低めだ。調子が悪い事、解ってたのかな。
「…え?あ、それは…質問にははっきり答えられません。…ある意味、ハラスメントになります、部長」
ハラスメントで伝わる?解って欲しい。
「唸ってる原因…聞いたらセクハラに値するって事か?」
「まあ、はい、そう、ですかね…。はい」
解って?念を入れて見つめた。
「ぁ…だったら、もう帰れ」
どうやらピンと思い当たった様子。…帰れ?え?帰れ?
「ええ!?」
大きな返事をして、遅いけど、慌てて口に手を当てた。
「…馬鹿、ぁ、すまん。…声がでかい…。俺がトーン落としてる意味が無くなる…。
…つまり、…しんどいんだろ?もうほぼ退社時刻だ。帰っていい、俺が許可する」
なんだかな~。この気配り、どうしたんだろう。原因は伝わったみたいだし、いいって言うんだし、素直に従って帰ろう。
「では…、帰ります…」
「ああ」
部長が頷いた。