押しかけ社員になります!

「…部長、シャワーというか、お風呂、使いませんか?どうぞ?」

残念ながら部長用のパンツも着替えも無いけど。

「ああ、そうだな、簡単に使わせて貰うよ。Tシャツとパンツ、買って来たし」

…えー!なんと…準備のよろしい事で。

「俺のシャツとパンツ、…いや、なんでも無い」

言いたい事は解った。いいですよ。生娘って訳じゃ無いし、キャー、パンツ!とか、言わないし。引き受けますよ。
…トランクスかしら、ボクサーかしら…。あ、…ボクサーよね。多分。

「んん。洗濯機の中に入れて帰ってください。洗って預かっておきます。…次、困りませんもんね」

自然に次とか言っちゃった…。

「うん。いいか?」

「いいですよ」

はぁぁ、ドキドキする…。

「じゃあ、洗濯機の中に入れておく」

「はい。どうぞ。部長、先に横になっててもいいですか?」

「ああ、いいに決まってる。いつも通り、楽にしてくれ」

「はい、有難うございます。冷蔵庫の中にお水あります。出たら飲んでください。常温が良ければ、ここにあるのをどうぞ」

「解った、有難う。おやすみ」

「別に、まだ眠る訳じゃないですよ?」

「そうなのか?」

「はい、横になるだけですから」


風呂から上がり寝室を覗いた。フ。なんだ…、やっぱり寝てるじゃないか。ベッドに腰掛けた。
西野…。額に口づけた。…唇にも、軽く触れるだけのキスをした。
ん、う、ん…。お゙っ…起こしてしまったか?……大丈夫か。髪を撫でた。
ふぅ。こんなしんどい日に押しかけて、悪いやつだよな俺は。
晩御飯まで作ってくれて。有難うな、西野。
…無邪気な寝顔だ。

………。

はっ、つい、寝顔に見とれてしまった…。
…何分経ったんだ?
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