押しかけ社員になります!
ピンポン。
あ…ん、もぅ…誰か来た…。誰?でも無理。急には出られない。今、全裸なんだから。
それにうちに来る人は居な~い。
ごめんなさい。シャワー中だから。出ませんよ?こんな時間だし、何かの勧誘とかなら諦めて帰って~。
ピンポン。
ん゙~。敵も中々粘るわね。
仕方ない。もう出られるし。…ちょっと…待ってね…。取り敢えず、ルームウエアを着て、頭はバスタオルを巻いて、と。
ピンポン。
あ、はいはい。だから、今、出ますって。
ガチャ、カチャ。
「は、い?」
「ふぅ、……居たのか」
「げっ、部長ー!!え、どうして?ですか?…」
いけない、げっ、とか、思わず出ちゃった。
「西野…。はぁ。まず、ドアは確認してから開けろ。次からは絶対だ、いいな」
「あ、はい、…気をつけます。あの…」
「…慌てるように早く帰ったし。…電話には出ない。メールも、待てど暮らせど返信が無いから。怒ってないって言っても、やっぱり怒ってるのかと思って…。
…会社では突っ込んだ話は出来ない。とにかく、色々…心配になったから来てみたんだ」
「…すみません…。取り敢えず、ここでは何ですから…どうぞ、入ってください」
「ん。…」
「部長、ごめんなさい。ご覧の通り、お風呂に入っていましたので、電話もメールもそのタイミングでかと思われます。本当にすみませんでした。あ、掛けてください」
失礼しますと、ソファーの端に置いていた鞄から携帯を取り出し、見てみた。
…う、わっ。鬼のような着信履歴…。メールも。…はぁ。
「部長、こんなに…本当にごめんなさい。早く帰ったのは何となくなんです。家で早くダラ~ッとしたかったからです。それから、キスマークの件は、本当に本当に怒ってなんか無いですから…」
ん?!…んん…。いきなりのけ反るくらいの勢いで抱きしめられて、襲われた。いや…キスされてる。
「ん、ん、。ぶ、部長!どうしたん…んん…ですか…、ぁ…、んん、ん。
んー、部、長ー!…ハァ、ハァ」
「…イライラして、あー…もう、西野…。嫌なんだ。一人にしておくのも心配で、…嫌なんだ」