押しかけ社員になります!
「…場所にもよるが…反応してたよ。だけど、様子を窺いながら俺はしたんだ。…落ち着いたら、また続けた。目が覚めないように。その繰り返しだ。時間をかけて、ゆっくりって、言っただろ?…心配したのか?起きないくらい感じてないんじゃないかって」
……いや、まさに、それ、それなんですけど…。
…返す言葉に困る。恥ずかしい事、理路整然と話すなんて、とても他人事のようにも話せないし。…頷けもしない。嫌…、もう、恥ずかし過ぎる。され放題じゃない…。
「その前の、俺の部屋での時だって、ちゃんと感じて凄く…」
嫌ー!もうこれ以上はイジメの領域です。言わないで。
「部長!」
思い切って抱きしめられている腕を引き抜き、手で口を塞いだ。
「…もう止めてください。恥ずかしいですから…。何の話をしていたのか解らなくなります」
身体は勝手に熱くなってくる。自分にされていた事、想像してしまった。部長の部屋で翻弄され続けた夜の事も思い出してしまった。
「フッ…西野。こういう時は、塞ぐのは手じゃない方がいいな」
口を塞いでいた私の腕を掴むと、そのまま壁に体ごと押し付けられた。
「こういう時は、…こうだ…」
ゆっくりと近付いて来る傾げた首筋が凄く色っぽかった。絶妙なスピードが心臓をこれでもかって高鳴らせた。…口を塞がれた。塞ぎたいのは私の方で、部長の方では無いのに。
次からはこうしろ…と、悪戯で妖艶な部長の顔が甘く囁いた。ん、…攻守が逆転してるじゃないの。どちらからでも塞ぐ事に変わりは無いのだけど。
こんなに深く情熱的に塞がれては…抵抗も出来ないじゃないの。…しないけど。…駄目。はぁ、これ以上は駄目です、立って居られなくなる。
「ん。俺ん家、もう行かなくてもいいか…。このまま西野ん家に泊まる…」
甘い口づけは続いていた。
「ん、…駄目です。まだ…、部長のパンツとシャツ、…洗濯出来てませんから」
「んん、ん?、……はぁあ?そんな事で拒否るつもりか?」
え゛?今の今までの甘さは何処へ?食まれていた唇が離れると、絡めていた手は肩を掴み正面から説教になった。
「拒否と言うか、はい」
だって…。
「だったらいい」
拗ねちゃった?どうするつもり?帰る?
「コンビニ行って来る」
ぇえ?