押しかけ社員になります!

「はぁ…。では西野は西野で厳しく居ればいい。俺が勝手に甘える。とにかく俺は泊まる。帰らないからな。…余計、このまま帰る訳にはいかなくなった。
コンビニに行ってくる。鍵なんかかけて、閉め出そうとするなよ?インターホン鳴らし続けるからな。鍵も壊すぞ」

急に、俺に嫌われたらどうしようかとか、思い始めたんじゃ無いのか…。今までは追うばかりだった。しかも、どれだけアピールしても手応えは無かったんだ。それが、急に立場が変わった。俺に追われてると言ってもいいくらいだ。多くを語らず押しかけたり、泊まると言い出したり。
思いが受け止められた。そう解った途端、失う事が恐くなったんだろう。
それが好きな証拠でもあるんだが…。
身体の相性なんかで嫌いになったりしないと言っているだろ?俺の言葉が信じられないか…。いや、言葉には実体がないからだ。どんなに語ったところで…。
西野はそのものズバリ、心も身体も相性が良いという事にこだわりが強いのだ。…こだわりたくなったんだな。
俺のせいかな…。ソッチ方面の話とか…色々生々しく話してしまったし。欲しくて攻めてる…。
気長に考えていいって思わせようとして、その実、焦らせてる…のか。…まぁな、西野が生理中だっていうのに、いきなり押しかけてるし。馬鹿部長なんか相手にせず、ゆっくり休みたいだろうしな…。今日なんてまさにそんなしんどい日だよな。確か。
はぁ…一緒に居たいだけなんだけどな…。身に危険を感じてるのか…。
…前科があるからな。また寝てる間に好き勝手に弄られるかもって。
俺のこの思いは、どこかで空回りしてるのか…。はぁぁ。
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