押しかけ社員になります!

コンコン。

「部長?」

「んぁあ?」

シャンプー中かしら、タイミング悪かったのね。

「まだ何も召し上がって無いですよね?何か作りましょうか?」

「ん~。有り難いけど、いいぞぉ、別に」

食べて無いのね。

「では適当に何か作ります」

「すま~ん。悪いな」

「気は遣わないでください。大した物は作りませんから、…吉城さん」

「簡単にお茶漬けでいいぞ…。ん?…。…西野…」

カチャ、バタバタ…。

「西野っ!」

「キャーッ。ぶ、部長ー」

「…西野、今、なんて…」

追い掛けて来た部長に正面から肩を掴まれた。

「部長!は、裸、裸。全裸ですよ。部長の部長、大事なトコロ、見えちゃって…」

「おぉ、っと、悪い」

抱きしめられた。え…。隠す意味で?…染みて来てます、私…濡れちゃいます。

「で。今、何て?」

「さ、さあ、何の事でしょう。は、早く戻ってください、風邪ひきます。セクハラですよ。…吉城さん」

…西野。はぁぁ、やっぱり敵わないな。こんな時に名前で呼ぶなんて。

「うん。解った戻る」


海老がまだあるから、なんちゃってピラフよ。…マッシュルーム、平気かしら。
嫌なもの、わざわざ食べらされるくらいなら、本当にお茶漬けの方がいいだろう。
どうしようかな…。嫌いなのは椎茸だし、ビジュアルだって言ってたし。キノコの仲間に違い無いけど、マッシュルームが嫌いとは聞いていない。…入れて作ってしまえ。
後はスープと…、根野菜を蒸して、温サラダにしよう。
こんな事なら、一緒に食べたかったな。
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