押しかけ社員になります!
*レッドフラッグ?
結局、約束したのかしないのか、曖昧なまま食事は終わった。
「部長、食後に珈琲か何か、召し上がりますか?何か持って来ましょうか?」
「…アイスクリーム」
え?…聞き間違いだろうか。私の耳にはアイスクリームと呟いたように聞こえたけど。部長がアイスクリーム?
「あの、…」
どうしよう。こんな時、いつものように押せ押せでいけないのは、どうも、少し、守りに入ってるせいなのかしら?ええい、濁しながら問い返してみるか。あまり待たせるのも駄目だし。
「珈琲味の…とか、抹茶…とか、色々ありますが」
アイス、ですよね?敢えて渋めの物を選択して聞いてみた。これでストロベリー味がいいとか思っていたら、言い出し辛いだろうけど。ストロベリーが好きって言われたら、それはそれでまた悶絶モノかもだ…。
「ん、珈琲がいいんだ」
…それ。そこは…。珈琲は、アイスクリームの珈琲を指しているのか、それとも飲む珈琲なのか、更に問題が勃発したじゃないの。
こうなったら、飲む珈琲と珈琲アイス、両方持って来てみよう。
「解りました、少しお待ちください」
「あ、西野…」
どうなるかな…。きっちり聞けばいいものを。
でも、話の流れからすると、きっと間違いない。
私は迷わず部長の前にカップの珈琲アイスを置いた。さあ、審判の時よ。
ゴクッ。…どう?