押しかけ社員になります!

「ほぉ~?セクハラだな、西野。俺をそんな目で見ていたとは…。知らない間に、性の対象にされていたのか…」

「部長!…性の対象だなんて。言い方に気をつけてください。素敵な男性だと言っているだけです。部長はとても格好良くて魅力的なんですっ!」

「フ。まるで言葉で提出するレポートだな。う~ん。そうか。なるべく努力しとくか。西野に嫌われないように。体形が崩れたおっさんは、見離されるかも知れないもんな」

「そんな事無いです。部長を好きな理由は何も容姿だけでは無いんですから。それはいつも伝えてるはずですが?」

「ああ、充分伝わってるよ。俺の事で聞いておきたい事は無いのか?」

「え?そうですね、取り立てて特にありませんよ?何も」

「…そうか」

「聞かない事に何か問題でも?」

「いいや。何も」

だって…部長と一緒に居るのに、部長のバックボーンとか、必要無いもの。このまま、このままの部長でいいんだから。何かの情報をプラスしたい事は特に無い。

「興味が無い訳じゃないですからね。私の事は?聞かれて答えられるものも何も無いですけど」

あ、男の人って付き合った男性の人数とか気にするのかな。なんかよく…聞く話だ、けど…。

「俺も、取り立てて聞かなくていいかな。西野自身、居てくれるだけでいいかなって」

…。

「西野?」

ん?寝たのか。…ふぅ……寝付きいいなぁ。
今、話し終わったばっかりだぞ?妙に肩が重くなって来たとは思っていたが。
…よし、運ぶか。
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