押しかけ社員になります!
*捻挫で棄権?
「ただいま」
あ、…。
「お…お帰りなさい、…部長」
ただいまだなんて…。ついうっかり出たのだろうか。…嬉しいけど。…目茶苦茶。
不安からちょっと浮上した気になるなぁ。私は部長の腕の中に居た。
「はぁ、西野…四日振りだ。もう少し、こうさせてくれ」
ああ、部長だ、部長…。私も堪能させて頂かないと。はぁぁ。
「…はい」
…。
「あの、部長?そろそろ、上がりませんか?」
「…うん、そうだな」
…。
「部長?…」
「…解ってる。はぁ。よし、お邪魔するか」
「はい…」
ゴトゴトと靴を脱ぎ、上がりながらバッグを渡された。
「これ、有難う。今日も旨かったよ」
「…いいえ、お粗末様です」
毎日こんな言葉をずっと言ってくれるご主人だったら、きっと素敵ね。
部長がネクタイを少し緩めた。
ゔ、キャー!…騒ぐな私。きっとうっとり見てしまってたはず。フフ。はぁ…。幸せ~。
一瞬気怠い感じ、首元がまた色っぽいんだから。
「ん?どうした?…あぁ、ネクタイか。女の人は好きらしいな、こうやって緩める仕草」
はい。間違いございません。今、私も萌えている真っ只中ですから。
「…西野。そんなに見つめるな。…恥ずかしい。ふぅ。少し疲れた。構わなければ風呂を借りたい」
「はい、大丈夫です。Tシャツもパンツも洗濯出来ています。…それから、こんな物も今日買ってみました」
パジャマはやっぱりちょっとなので、カットソーのパーカーとパンツのセットを買っておいた。
男物を買うなんて、ちょっとドキドキ、嬉しかった。
「おー、サンキュー。あれか?俺に、また、スーツに着替えさせようって魂胆か?
これはこれでいいけど、帰るにはこれでは帰れないからな」
ブンブン首を振った。
「滅相もないです。単純に部屋着が何かあった方が楽でいいかなと思っただけです」
「そうか?じゃあ、帰りはノータイでもいいんだな?」