好きって言ったら信じてくれる？

「何も、考えてなかった。」



素直に告白すると莉央は悲鳴をあげる。



「ダメだよ、亜紀そんなんじゃ。先輩のハートをつかまないと。そうだな、名付けて“先輩メロメロ大作戦”！」



「ごめん、そういうの要らない。」



冷たい声でバッサリと切り捨てる。



「えー、何で？」



「絶対莉央楽しんでるよね？」



「それは、否定しないでおく。」



そうやって言う莉央の顔はやっぱり生き生きとしてる。



「でもさ、」



にっこりと笑顔で、でも力強く莉央が言った。




“欲しいものは取りに行かないと逃げちゃうよ。”



その言葉は、胸に刺さった。



いままで、逃げてきた分。




「逃げちゃうって言い方が物騒だよ、莉央。」



「あはは、そうだね。」



覚悟を決めて、口を開く。



「莉央、アドバイスちょうだい。」



莉央はちょっと驚いたような顔をしてすぐに笑顔になった。



「もちろん。任せて」