好きって言ったら信じてくれる?
人のこと笑えないくらい、今朝はあたふたしてた私だけど。
「先輩、慌てすぎじゃないですか。」
「水野だって、早く来すぎでしょ。まだ9時半だよ?」
ふて腐れてた先輩の思わぬ反撃に内心、慌てる。
先輩は、余裕を取り戻したとでもいうようにちょっと笑って、私に囁く。
「それだけ、楽しみにしてもらえたって喜んでいい?」
肯定も否定もできなくて私はただ俯く。
顔を一気に赤く染めた私に対して、いい気になったのか先輩が明るく言った。
「さぁ、そろそろ行こうか。」
当たり前のように差し出されたその手をとったのはもう、半ば、ヤケだった。