好きって言ったら信じてくれる?


最初の方はほとんど見てなかったくせに、しっかりと主人公に感情移入して、思わず最後は泣いてしまった。


出来るだけさりげなく涙を拭い、先輩が見てないことを確認する。


先輩は、まっすぐエンドロールを見ていてほっとする。



「さてと、行きますか。」



最後の最後まで見たあと、先輩の言葉に頷いて立ち上がる。


周りでも残っていた人たちがガタンと動き出している。



「じゃあ、次はご飯でいい?」



そう言われて、はじめて自分のお腹が空いていることを自覚した。



時刻はもう、正午を過ぎている。



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