好きって言ったら信じてくれる?
僕が初めて水野と出会ったのは一回目の体育祭実行委員会の集まりだった。
「用具係の副係長になりました水野亜紀です。よろしくお願いします。」
そうやってちょっと緊張した面持ちで勢いよく頭を下げた水野に初々しさを感じたことを覚えている。
今思えば、僕が怖くて緊張していたのかもしれないけれど。
それから、僕が水野を好きになるまでは一瞬だったと思う。少なくとも気になり始めたのは本当にすぐ。
僕の言うこと全てをまっすぐと目を見て聞いてくれるところ。
役に立とうと一生懸命なところ。
なにより、打ち解けてきてからたまに見せる輝くような笑顔。
全てが愛しくて気づけば目で追っていた。
でも、はっきりと水野が好きだと自覚したのは多分もっとあと。