好きって言ったら信じてくれる?
私の一言を華麗にスルーして莉央が続ける。
「まぁ、冗談はここまでにして。で、どうしたの?」
主にその冗談を言っているのは莉央じゃないかと突っ込みたくなるのは我慢する。
「何だったのか、私もよくわからないんだけど。」
と前置きをしてから昨日の出来事を話した。
莉央には、立花先輩のこともいつも話を聞いてもらってる。
だから、私たちが体育祭実行委員で知り合ったことも、先輩が信じられないくらいモテると言うことも、最近の先輩がよく私のことをからかって遊ぶことも、全部知っている。
最近はそうも思えないけれど、最初に出会ったときの立花先輩は普通にかっこよくって優しい先輩だった。
同じ体育祭実行委員で頼りになって、着いていきたくなるような先輩。
でも、体育祭が終わり実行委員で会うこともなくなってしばらくほとんど先輩と会うこともなくなった。
廊下ですれ違っても、いつも目を合わせないようにしてたから。
それが、最近は先輩に呼び止められることが増えて、そして昨日の宣戦布告。
何であんなこと聞いたの?
“覚悟”って何に覚悟するの?
わからないことは沢山あるけど、答えを知るのがまだ、怖いなんて思ってしまう。