レモンとソーダと甘味料
ユキは僕の大切な妹だった。
身勝手な父親のせいで不幸を辿るしかなかった哀れな妹。
父の屋敷から追われて泥にまみれた所を見つけた。
僕に似た可愛い顔をした子。
綺麗なお洋服を着せて綺麗なリボンをつけて綺麗に髪をとかして。
大切に大切に隠していた。
ユキは可哀想な子だった。
知らないことが多すぎた。
ユキは生意気でわがままでとても可愛い僕の妹。
このまま土に埋めてしまうにはもったいなさ過ぎるよ。
ユキは妹は綺麗なまま綺麗な箱に入れてしまおう。
それでずっと僕の隣に置こう。
可愛い妹。もう一度君と一緒に眠る日まで。そこで我慢していてね。
檸檬と炭酸の泡に包んで。砂糖も忘れずにね。さよなら、ユキ。