レモンとソーダと甘味料



「私の記録が間違っているというんですのね」
「君の記録が間違っているということです」
「それでは私はもう貴男と言葉を交わした回数はわかりません」
「僕も君のように記録していたわけではないからわかりません」

男はにっこりと満足そうに微笑んだ。
少女は悔しそうに顔を背けた。

「連作先をお聞きしたい」
「知り合いの男性ならば教えないわけにはいきませんわ」

少女は手帳に数字を記した。
少女はそのページを破いて男に渡した。
男も自分の手帳に数字を記した。
男もそのページを破いて少女に渡した。

少女は大人しく受け取った。

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