レモンとソーダと甘味料
ヒロタは可笑しな子だった。
私に出会ったときヒロタはとてもきれいな格好をしていて周りにはたくさんの大男がいた。
ヒロタは喋るのが下手だった。
壊れたロボットみたいに抑揚のない声をしていた。
ヒロタは私を連れて行くとき、その小さな細い腕で私を支えてしっかりと抱き抱えた。
ヒロタは温かい。
ヒロタと私は出会った日、皮が破れて中身が飛び出している真っ白で柔らかいベッドの上で寝た。
今まで一番ぐっすり眠れた夜だった。ヒロタは私をユキと呼んだ。私はアナタをヒロタと呼んだ。