つながる
しっしっ、と向こうへ行けと手を振られたので
仕方なく奥に入り袴をはく。




さすがに袴は簡単。


そーいえば、ここに来てから帰りたいなんて
思ったことないなぁ〜。
袴履くと落ち着くわ〜。


「りょー、置いてくぞー。」


「へーい。あ、幸太郎、袴これでいい?」


じゃーん!と幸太郎にみせる。


「おー、そうしてみるとほんとに男だなぁ。
ほれ、行くぞ」


このおっさん、相変わらず私の事を男扱いしやがる。

まぁ、第一人称「俺」って言うようにしてるから
いいけどね。


先に歩き始めた幸太郎を追い掛ける。


この背中を追って山の中を歩いて
この背中を見てここの生活を知った。


父のような存在なのかもしれない。
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