つながる
「なんです?土方。」
彼・・・総司がその名を口にした瞬間
その場が冷気に包まれる。
そのくらい、副長・・・土方のもつ雰囲気が
稜之助にとって嫌なものだった。
畏怖・・・なのか、自分より強い者に
おののいたのか。
「おまえ、何を考えている。」
総司が立ちはだかり、土方の姿は見えない。
が、声音から苛立ち眉根を寄せる
土方の姿が想像できる。
俺はただ、誰にも押さえつけられず
自分らしくありたいだけ。
それが、人々には不快と嫌悪を抱かせる。
昔から・・・
「俺は・・・」
縫い付けられたように口は重く開かない。
そして、無言で次の言葉を待つ二人。
「・・・俺は、お前たちのような人を
見下す奴らが嫌いだ。」