つながる
座り込み思案する横にしゃがみこむおっさん。
「兄ちゃん、なんで河原で剣道してたんだ?」
「河原?道場にいたはず・・・ここってどこ?」
上着を脱ぎ始めるおっさんから少し離れる。
ぽよぽよの脂肪がたくさんついた腹なんか
見たくないからね。
「お?兄ちゃん、なんだ頭でも打ったか?
ここは江戸だぞ?」
さっきから兄ちゃん、兄ちゃん、しつこいな。
馬鹿にしてやがんな。
「さっきからおっさん、人の事兄ちゃん、
兄ちゃん、うっさいわ。私は女だ。
腹肉ぽよぽよの" おっさん"」
おっさん だけ強調してやった。
おっさんが目を細める。
「は?お前のその貧相なから〝ガスっ〟ぶっ!」
あー、なんかうざいなこのおっさん。
なんか手近な物で殴っちゃった。
あら?悶絶してるわ。かわいそー。
「っっのクソガキー!!!何してくれとんじゃ
俺の・・・大事なとこをこんの、オトコ女ぁー!」
てへ(*-艸・*)
わかりますかね。そう。手近な物でっていうのは
竹刀。当たったのは・・・。
「ざまぁみやがれ!ばぁか!」
まだ押さえて動けないおっさん。
「俺はまだ24だ!おっさんじゃねぇ!
俺は 坂井 幸太郎だクソガキ」
おー、威勢は良いねぇ。
なんだ、もう24か。おっさんじゃん。こうたろう。
「クソガキ、何呼び捨てにしてんだ。
敬え。幸太郎様だろ。お前を助けてやったんだぞ」
お、心の声が・・・。
威張っててもうずくまる情けない
おっさん・・・こうたろう。