振り向いたらあなたが~マクレーン家の結婚~
大広間に戻ると、まだまだたくさんの男女が踊っていました。マリアンヌは、フーっと息を吐き、近くにあったイスに腰を掛けました。しばらく休憩していると、目の前に影ができました。
見上げてみると、なんと先ほどの男性が立っていました。
マリアンヌは、驚いていると、男性が「一曲踊っていただけませんか。」と声を掛けてきました。驚いたマリアンヌでしたが、男性に申し込まれた場合、申し込みを受けるのがレディーのエチケットです。すぐさま立ち上がり、「ありがとうございます。喜んで。」と言いました。その男性が手を差し出すと、その手に手を添えて、大勢の客の中に入って行きました。男性の手が彼女の腰にしっかりと添えました。そして、曲が始まると。力強いステップで彼女をリードして行きました。マリアンヌは、これまでのどの男性よりも、力強く、踊りやすいことに気がつきました。まるで踊ることが自然なことのようでした。見上げてみると、男性は茶色の目をしていました。
目が合うと、彼はにっこり微笑みました。マリアンヌは、踊りながら「お名前を教えていただけますか。」と尋ねました。すると、彼は「ケヴィンです。ケヴィン・コスナーです。どうぞよろしくお願いします。」と答えました。マリアンヌは、「そうですか。私はマリアンヌ・マクレーンと申します。マクレーン家の長女です。」それから、またクルクルと踊り続けました。
「先ほどは、びっくりしたわ。突然あなたがいらっしゃったから。」すると、コスナー氏は、「私もびっくりしたのですよ。絵を眺めていたら、若い女性がこちらに来るので。あの時間は、一人でゆっくりできると思っていたので。」
「まあ、そうだったのですの。お邪魔して申し訳ございません。確かにあの時間は誰もあんな所に来ませんよね。実は、私は涼みに来たの。何だか暑くて・・。」そうして、曲が終わりました。マリアンヌは、頭を下げ、スカートの袖を持って、お辞儀しました。コスナー氏も頭を下げました。もっと話したかったのですが、未婚の女性はお目付け役なしでは、二人きりで男性と長時間話してはいけないことになっていたのです。
それから、その晩は、次女のリリーと三女のメアリーが踊り終わってから、辻馬車で帰っていきました。馬車の中で、リリーとメアリーが舞踏会での出来事をぺちゃくちゃとおしゃべりしている中、マリアンヌはふとすると、コスナー氏が頭の中に出てきて考えていました。
コスナー氏がどれほど黒茶色のキレイな目をしていたか、背が高く、何となく有無を言わせぬ人を惹きつける物を持っている所、男らしくて力強いのに品もあるところ、今までそんな人に会ったことあってかしら、と思いました。今までの男性の中に、惹きつけられる人はいませんでしたが、コスナー氏だけは何か違うものを感じました。胸が熱くなって、頭の中がぼーっとして、ともすれば彼の事ばかり考えていました。マリアンヌはこれが恋かしら、と思いました。今夜の舞踏会は、いつもと違うものになりました。特別な夜になりました。マリアンヌは、今日のことをずっと忘れないでいようと思ったのでした。そして、昨夜のお祈りが効いたんだわ、とわかりました。
見上げてみると、なんと先ほどの男性が立っていました。
マリアンヌは、驚いていると、男性が「一曲踊っていただけませんか。」と声を掛けてきました。驚いたマリアンヌでしたが、男性に申し込まれた場合、申し込みを受けるのがレディーのエチケットです。すぐさま立ち上がり、「ありがとうございます。喜んで。」と言いました。その男性が手を差し出すと、その手に手を添えて、大勢の客の中に入って行きました。男性の手が彼女の腰にしっかりと添えました。そして、曲が始まると。力強いステップで彼女をリードして行きました。マリアンヌは、これまでのどの男性よりも、力強く、踊りやすいことに気がつきました。まるで踊ることが自然なことのようでした。見上げてみると、男性は茶色の目をしていました。
目が合うと、彼はにっこり微笑みました。マリアンヌは、踊りながら「お名前を教えていただけますか。」と尋ねました。すると、彼は「ケヴィンです。ケヴィン・コスナーです。どうぞよろしくお願いします。」と答えました。マリアンヌは、「そうですか。私はマリアンヌ・マクレーンと申します。マクレーン家の長女です。」それから、またクルクルと踊り続けました。
「先ほどは、びっくりしたわ。突然あなたがいらっしゃったから。」すると、コスナー氏は、「私もびっくりしたのですよ。絵を眺めていたら、若い女性がこちらに来るので。あの時間は、一人でゆっくりできると思っていたので。」
「まあ、そうだったのですの。お邪魔して申し訳ございません。確かにあの時間は誰もあんな所に来ませんよね。実は、私は涼みに来たの。何だか暑くて・・。」そうして、曲が終わりました。マリアンヌは、頭を下げ、スカートの袖を持って、お辞儀しました。コスナー氏も頭を下げました。もっと話したかったのですが、未婚の女性はお目付け役なしでは、二人きりで男性と長時間話してはいけないことになっていたのです。
それから、その晩は、次女のリリーと三女のメアリーが踊り終わってから、辻馬車で帰っていきました。馬車の中で、リリーとメアリーが舞踏会での出来事をぺちゃくちゃとおしゃべりしている中、マリアンヌはふとすると、コスナー氏が頭の中に出てきて考えていました。
コスナー氏がどれほど黒茶色のキレイな目をしていたか、背が高く、何となく有無を言わせぬ人を惹きつける物を持っている所、男らしくて力強いのに品もあるところ、今までそんな人に会ったことあってかしら、と思いました。今までの男性の中に、惹きつけられる人はいませんでしたが、コスナー氏だけは何か違うものを感じました。胸が熱くなって、頭の中がぼーっとして、ともすれば彼の事ばかり考えていました。マリアンヌはこれが恋かしら、と思いました。今夜の舞踏会は、いつもと違うものになりました。特別な夜になりました。マリアンヌは、今日のことをずっと忘れないでいようと思ったのでした。そして、昨夜のお祈りが効いたんだわ、とわかりました。