振り向いたらあなたが~マクレーン家の結婚~
その晩の夕食では姉妹たちに交じって、コスナー氏も一緒に夕食を取ることになった。大食堂の長いテーブルには、いつもマクレーン家の人だけなので、珍しい客人に他の姉妹たちは興味深々だった。
ハンサムで若い男性がこの場にいる事自体、とてもおかしなことだった。特にリリーとメアリーは、すっかりコスナー氏はお姉さまの恋人ということでずっとクスクス笑いぱなっしだった。
コスナー氏も、さすがに女性達ばかりの食堂で食べるのは、気まずそうだった。
父が気を利かして、コスナー氏に話を振ったりしていた。料理は、鴨肉のワイン漬け、ミモザのケーキ、赤ワイン、野菜スープ、鱸とジャガイモの煮つけだった。マリアンヌはコスナー氏に楽しんでもらえるようかなり苦心した。
いつもの二人ケイトとポリアンヌは、コスナー氏に懐いているようで、コスナー氏も二人に料理を持ってあげたりしていた。そうして何とか大変な夕食も終わった。
コスナー氏は父と一服するようなので、姉妹たちはめいめいの部屋に戻って行った。
マリアンヌはコスナー氏が今夜泊まる客室をサリーと一緒に整えていた。この部屋を使うのは初めてだ。
なので、埃っぽさを少しでも取り除きたい。
マリアンヌははたきでベッドやカーペットを叩いたり、窓を開けたりした。
サリーも温めたレンガを持ってきて、ベッドの中を温かくした。部屋の掃除が終わったので、マリアンヌとサリーは部屋から出た。サリーは厨房に戻り、食器の片づけをすると言ってきた。
マリアンヌは談話室の方へ行ってみた。
すると、ちょうど父とコスナー氏の話が終わったようだった。父とコスナー氏は握手をして、コスナー氏はお辞儀をして出てきた。コスナー氏はマリアンヌの姿に気付くと、にっこり笑い話し掛けてきた。
「やあ、ミス・マクレーン。今夜の夕食は美味しかったよ。もてなししてくれてありがとう。実は話があったんだ。ちょうどよかった。」そう言うと、あたりを見回した。
「ここらで、話ができる暖かい場所はどこだろう?」マリアンヌは思いつかなかった。
さっきの談話室にはまだ父がいるし、ほかのどの部屋も節約してまきを使っていない。
今の時期はまだ寒いので、外にも出られない。それに廊下はとても寒かった。
「あなたの部屋か私の部屋しか思いつかないわ。」マリアンヌはタータンチェックの肩掛けを寄せ合わせて、ブルブルと震えた。コスナー氏はそんなマリアンヌの様子を見て、「では、早く僕の部屋へ行こう。」と言い、客室へマリアンヌと共に向かいだした。
客室は先程準備しておいたおかげで、すっかり暖かくなっていた。
暖炉の火がパチパチと燃えていた。マリアンヌは廊下にいたせいで冷えた体が暖かくなっていくのを感じてホッとした。コスナー氏も入ってきて、ドアを閉めた。
マリアンヌは急に彼と二人っきりになったことを意識して緊張するのを感じた。
何か話さなければ。この場の重苦しい雰囲気を取り除きたい。しかし意識すればするほど、体が固くなっていった。
すると、コスナー氏がゆっくりとこちらへやって来た。
そして、マリアンヌは動揺しながらも恐る恐るコスナー氏を見た。コスナー氏がマリアンヌの前で止まり、やがて話し始めた。
「ミス・マクレーン。君をひどく傷つけたことを許して欲しい。僕は自分が間違っていたとよく分かった。あんな事があったのに、突然来訪した僕を温かく迎えてくれて、僕はとても喜んでいる。なぜなら、いきなり現れてもひっぱ叩かれるか、拒絶されるかのどちらかだと思っていたからね。そうなることを覚悟していたのに、君は何て優しいんだ。」マリアンヌはそれを聞いて、目を見開いて「まあ。」と述べた。コスナー氏はマリアンヌを窓の方へいざなった。窓からは月と星が見えていてきれいだった。
月の光が微かに部屋まで届いていた。
「マリアンヌ。君と別れた後、君との事を色々考えたよ。最初は自分が話したことは何も間違っていないと信じていた。僕はずっとそういう考えで生きてきたしね。けど、君と出会ってから僕は自分がいつもと違うのを感じた。
そして、君と別れてから大変だった。心が壊れるかと思った。なくしてから初めて君がどれだけ大切な人かよくわかったよ。君の居場所が分からなった時には、パニックになりそうだったよ。そして、何とか君がここにいると分かった時、どれだけホッとしたことか。そして、ようやく君に言う機会を得た。これを宝物のように思うよ。ミス・マクレーン。どうか僕と結婚して下さい。」それまでコスナー氏の話をしっかり耳を傾けて聞いていたマリアンヌはびっくりして固まってしまった。あんなに結婚したがらなかった彼が自分から結婚を申込むなんて。
まさか。予想もしていなかった。マリアンヌは頭が混乱したままなので、黙りこんでしまった。
コスナー氏はマリアンヌが中々返事をしないので、段々顔がこわばり青くなっていった。
「マリアンヌ。まさか、“ノー“と言うんじゃないだろうね。ああ、どうか”イエス“と言ってくれ。君を失うなんて耐えられない。でも、あんな風に結婚を拒否したのは僕だから。君はおかしいと思っているよね。」
マリアンヌは混乱してパニックになっていた頭がようやく落ち着いてきた。そして胸を押さえながら話した。
ハンサムで若い男性がこの場にいる事自体、とてもおかしなことだった。特にリリーとメアリーは、すっかりコスナー氏はお姉さまの恋人ということでずっとクスクス笑いぱなっしだった。
コスナー氏も、さすがに女性達ばかりの食堂で食べるのは、気まずそうだった。
父が気を利かして、コスナー氏に話を振ったりしていた。料理は、鴨肉のワイン漬け、ミモザのケーキ、赤ワイン、野菜スープ、鱸とジャガイモの煮つけだった。マリアンヌはコスナー氏に楽しんでもらえるようかなり苦心した。
いつもの二人ケイトとポリアンヌは、コスナー氏に懐いているようで、コスナー氏も二人に料理を持ってあげたりしていた。そうして何とか大変な夕食も終わった。
コスナー氏は父と一服するようなので、姉妹たちはめいめいの部屋に戻って行った。
マリアンヌはコスナー氏が今夜泊まる客室をサリーと一緒に整えていた。この部屋を使うのは初めてだ。
なので、埃っぽさを少しでも取り除きたい。
マリアンヌははたきでベッドやカーペットを叩いたり、窓を開けたりした。
サリーも温めたレンガを持ってきて、ベッドの中を温かくした。部屋の掃除が終わったので、マリアンヌとサリーは部屋から出た。サリーは厨房に戻り、食器の片づけをすると言ってきた。
マリアンヌは談話室の方へ行ってみた。
すると、ちょうど父とコスナー氏の話が終わったようだった。父とコスナー氏は握手をして、コスナー氏はお辞儀をして出てきた。コスナー氏はマリアンヌの姿に気付くと、にっこり笑い話し掛けてきた。
「やあ、ミス・マクレーン。今夜の夕食は美味しかったよ。もてなししてくれてありがとう。実は話があったんだ。ちょうどよかった。」そう言うと、あたりを見回した。
「ここらで、話ができる暖かい場所はどこだろう?」マリアンヌは思いつかなかった。
さっきの談話室にはまだ父がいるし、ほかのどの部屋も節約してまきを使っていない。
今の時期はまだ寒いので、外にも出られない。それに廊下はとても寒かった。
「あなたの部屋か私の部屋しか思いつかないわ。」マリアンヌはタータンチェックの肩掛けを寄せ合わせて、ブルブルと震えた。コスナー氏はそんなマリアンヌの様子を見て、「では、早く僕の部屋へ行こう。」と言い、客室へマリアンヌと共に向かいだした。
客室は先程準備しておいたおかげで、すっかり暖かくなっていた。
暖炉の火がパチパチと燃えていた。マリアンヌは廊下にいたせいで冷えた体が暖かくなっていくのを感じてホッとした。コスナー氏も入ってきて、ドアを閉めた。
マリアンヌは急に彼と二人っきりになったことを意識して緊張するのを感じた。
何か話さなければ。この場の重苦しい雰囲気を取り除きたい。しかし意識すればするほど、体が固くなっていった。
すると、コスナー氏がゆっくりとこちらへやって来た。
そして、マリアンヌは動揺しながらも恐る恐るコスナー氏を見た。コスナー氏がマリアンヌの前で止まり、やがて話し始めた。
「ミス・マクレーン。君をひどく傷つけたことを許して欲しい。僕は自分が間違っていたとよく分かった。あんな事があったのに、突然来訪した僕を温かく迎えてくれて、僕はとても喜んでいる。なぜなら、いきなり現れてもひっぱ叩かれるか、拒絶されるかのどちらかだと思っていたからね。そうなることを覚悟していたのに、君は何て優しいんだ。」マリアンヌはそれを聞いて、目を見開いて「まあ。」と述べた。コスナー氏はマリアンヌを窓の方へいざなった。窓からは月と星が見えていてきれいだった。
月の光が微かに部屋まで届いていた。
「マリアンヌ。君と別れた後、君との事を色々考えたよ。最初は自分が話したことは何も間違っていないと信じていた。僕はずっとそういう考えで生きてきたしね。けど、君と出会ってから僕は自分がいつもと違うのを感じた。
そして、君と別れてから大変だった。心が壊れるかと思った。なくしてから初めて君がどれだけ大切な人かよくわかったよ。君の居場所が分からなった時には、パニックになりそうだったよ。そして、何とか君がここにいると分かった時、どれだけホッとしたことか。そして、ようやく君に言う機会を得た。これを宝物のように思うよ。ミス・マクレーン。どうか僕と結婚して下さい。」それまでコスナー氏の話をしっかり耳を傾けて聞いていたマリアンヌはびっくりして固まってしまった。あんなに結婚したがらなかった彼が自分から結婚を申込むなんて。
まさか。予想もしていなかった。マリアンヌは頭が混乱したままなので、黙りこんでしまった。
コスナー氏はマリアンヌが中々返事をしないので、段々顔がこわばり青くなっていった。
「マリアンヌ。まさか、“ノー“と言うんじゃないだろうね。ああ、どうか”イエス“と言ってくれ。君を失うなんて耐えられない。でも、あんな風に結婚を拒否したのは僕だから。君はおかしいと思っているよね。」
マリアンヌは混乱してパニックになっていた頭がようやく落ち着いてきた。そして胸を押さえながら話した。