その背中、抱きしめて 【上】
仮入部に来たのは全部で9人とマネージャー希望の女の子1人。
小さい子からひょろっとした子までまちまちだけど、その中で群を抜いたオーラを出してる子。
部員の紹介と新入生の自己紹介の間、私はずっとその彼から視線が離せなかった。
…きっと気持ち悪い視線を感じてたことでしょう…ゴメンナサイ。
「高遠 翔、市立松浜中学出身。ポジションはオポジットです」
--------え……?オポジット?
レフトじゃないの??
新入生がざわつく。
「松浜って2年連続全国優勝した中学だよな」
「そこのスーパーエース!?」
「レベルが違いすぎるだろ」
「何でここに来たんだ?強豪校から特待の話来てたんじゃないの?」
「1年、静かにしろ!経験者が7人、未経験者が2人。経験者はウォーミングアップの後、練習に合流してもらう。未経験者は基礎から教えるから…ゆず、頼むな」
「あ、はい」