その背中、抱きしめて 【上】
駅まで急いで、何とか5分前に到着。
今日がピーカン天気じゃなくて良かった…。
空は薄曇りで太陽は雲の中から弱い光を地上に届けてくれる程度。
汗だくで高遠くんに会うとかありえない。
その前にもっと早く家出ろってハナシだよね…。
ようやく上がった息が落ち着いてきた頃、高遠くんがホームからの階段を下りてきた。
現れた高遠くんは合宿で見た私服姿よりさらにカッコよくて目が眩んだ。
(これは反則だよ。カッコよすぎる)
適度な筋肉のついた細身男子のカーゴパンツにゴツいブーツって何でこんなにかっこいいんだろう。
しかも髪の毛ちょっと遊ばせてるし!
…これは…、さすがに今まで恋の経験がない私でさえ鼻血が出るレベル…。
「先輩、今日すげー可愛い」
肩を抱かれた耳元で囁かれた。
跳ねる心臓。
私、今日1日身がもたないかもしれません。。。