その背中、抱きしめて 【上】
進んでいくと、現れたのはホワイトタイガー。
「いやーーーーーーーーーーっ!!可愛い!!可愛い!!カッコイイ!!!」
私、ホワイトタイガー大好き!
檻の前で悶える。
あの首の周りのモフモフした感じが可愛くて、青い目の精悍な顔つきがかっこよくて、しかも毛が白とこげ茶の縞模様!!
そしてあのふっとい脚!
「先輩、ホワイトタイガー好きなの?」
「大好きっ。ホワイトタイガーの赤ちゃんなんてもう…犯罪級の可愛さだよ!!」
高遠くんは私のテンションに少々呆れ気味。
でもいいのっ。
可愛いものは可愛い!
カッコイイものはカッコイイ!!
「先輩、俺にそこまで好きアピールしてくれないのに、トラにはそんなに悶えるんだ?」
え?
ええ??
「だ、だって高遠くんとホワイトタイガーは別物じゃん」
「俺もトラみたいに『カッコイイ』ってキャーキャーしてもらいたい」
ちょっと、何を言い出すの?
「高遠くんはたくさんの女の子にキャーキャー言われてんじゃん」
…あれ…?
もしやムッとさせた。
なんか怒ってるような…超不機嫌顔。。。
「俺は先輩に言ってもらいたいんだよっ。他の女が騒ぐのとかどうでもいい」
拗ねてる?
私が動物のこと可愛い、カッコイイ、って言いまくってるから面白くないの?
…何、この普段とのギャップは!!!