その背中、抱きしめて 【上】



「私はいっつも高遠くんのこと見てるよ。高遠くんに目を奪われるの。今日だって、いつもと違うカッコで、こんなに髪も遊ばせて、隣にいるだけでドキドキしてるんだよ」

高遠くんのハネさせた髪を親指と人差し指でつまむ。

「そりゃ、気合い入れるでしょ。初めてのデートなんだから」


”初めてのデート”に反応して、顔が一気に赤くなるのがわかった。

高遠くんの気合い、お見事です。

私も、そして周りの女性も、全員が目を奪われる。




ホワイトタイガーが立ち上がって私たちの目の前の鉄格子のところまでゆっくり歩いてきた。

鉄格子には強化ガラスも張られていて、安全に近くで猛獣が見られるようになっている。


「うわーーーーーーっ!!すごいすごい!カッコイイ!目の前!!!……あ。」


おそるおそる高遠くんの方を向くと、、、やっぱり超不機嫌顔。

ホワイトタイガーに騒ぎ過ぎた。。。



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