その背中、抱きしめて 【上】



帰りの車の中、話題は高遠くんの家のことで持ちきりだった。

口火を切ったのはお姉ちゃん。


「でっかい家だったね!翔くんのお父さん社長かな?医者かな?それとも弁護士?あんなでっかい家にお父さんと2人で住んでるって…家政婦さんが家事やってるのかなぁ」


そういえば高遠くんの家族のこと、家のこと、何も聞いたことなかったな。

私、高遠くんのこと何も知らないんだなぁ。


「柚香、翔くんと結婚したらあのでっかい家に住むんだねー」


「「け、結婚!?」」


お父さんと私、一緒に声を上げる。


「真面目で誠実な子だけど、いかにしても結婚の話をするのはまだ早すぎる!」

「お姉ちゃん、まだ結婚は気が早すぎるんじゃ…!」


お姉ちゃんはニヤニヤしたまんま。

「えー?私、翔くんが弟になったらいいなぁ。だって超イケメン!自慢しまくりだよ」


お父さんがショック?怒り?でプルプル震えてる。。。




< 214 / 503 >

この作品をシェア

pagetop