その背中、抱きしめて 【上】



しばらくすると



ピンポーン。



チャイムが鳴って高遠くんが玄関に出て行った。

お友達来たのかなぁ。



ガチャッと玄関の開く音。

何やら言い合ってる声がして、それから。



「へぇ。あなたが翔の憧れの君かぁ」


長身の、とても柔らかな声と喋り口調の、さわやかなイケメンがリビングに入ってきた。



「あ、突然すいません。清水大地(しみずだいち)といいます。翔と中学が同じで、今は芦澤学園バレー部にいます」


あ…。

じゃあこの人が…。


「高遠くんの親友の…」


「親友っていうか、悪友っていうか、腐れ縁っていうか。ね?」

そういって高遠くんに笑顔を向けた。


クールな高遠くんと優しい雰囲気の清水くん。

一見、タイプが違う感じもするんだけど、きっとタイプが違うからこそいいバランスが取れてるんだろうなぁ。



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