その背中、抱きしめて 【上】
「重くないよ。むしろ、感情表現少ないくらいだよ」
普段は…ね。
でも、キスは激しいけど…ね。
(って、私、何考えてんだ!!)
「そうなの!?」
清水くんがビックリしたように高遠くんに聞く。
「知らねぇよ」
高遠くんの顔が赤い。
すごいな清水くん、高遠くんをグイグイ自分のペースに引き込んでる。
「ふぅん…」
清水くんがニヤリと片方の口角を上げる。
「柚香先輩、そんなにこいつ感情出さないんですか?」
「え?…うんまぁ、いつもクールだから」
グイッと腕を引っ張られて、清水くんの方に体が倒れこむ。
もう片方の手で私の体を抱きとめる。
「柚香先輩、そんな愛情表現もできないやつより俺に乗り換えちゃいませんか?」
え?
体が硬直する。
と、その瞬間。