その背中、抱きしめて 【上】
高遠くんから距離を置かれて1ヶ月が経った。
あれから部活でも1度も目を合わせてくれないし、話すこともない。
高遠くんはみんなの練習に合流したけど、左足をかばうようにしてるし、そのせいでスパイクに威力もキレもない。
でも、私にできることは見守ることだけ。
高遠くんの気がすむようにさせるだけ。
精神的にはだいぶ落ち着いてきた。
さくらちゃんも羽柴くんもずっと一緒にいてくれるし、高遠くんと話せないのは寂しいけど…でも2人の優しさのおかげで救われてるんだ。
「再来週は中間テストかぁ…」
さくらちゃんのつぶやきで、私は血の気が引いた。
(ヤバいっ!!)
1学期は高遠くんが勉強教えてくれたけど、今回は自力で何とかしなきゃいけないんだった!