その背中、抱きしめて 【上】
(ぎゃっ!!無理無理!!なんで高遠くんがいるのに私のこと呼ぶの!?)
固まって動かなくなってる私に清水くんが満面の笑みで手招きする。
本当に無理!
私は両腕で✖️(バツ)を作って、人混みに逃げ込んだ。
そして、そのまま会場を後にした。
(はー…ビックリした。あれは反則だよ)
清水くん、何考えてるんだろう。
それとも何も考えてないのかな。
どっちにしても無理すぎる。
高校最後の春高バレー予選敗退の余韻に浸れないまま家に着いた。
さぁ、これでしばらくは大きい大会はないから、勉学に集中しよう。