その背中、抱きしめて 【上】



「もしもし、高遠です。ご無沙汰してます。急で申し訳ないんですが…はい、はい。もしかしたら今日ご家族でクリスマスパーティーの予定とかあったり…あ、そうですか。8時までには必ずお送りします。ありがとうございます」

そして”失礼します”と言って高遠くんは電話を切った。

(あれ?最後、私に換わらないで切っちゃったの!?…ま、いっか)


それにしても、本当に年下の高1なのかな。

こういう先手を打った対応とか受け答えとか、全然高校生っぽくないんですけど。

なんか社会人の年上彼氏っぽい。

頭がいいから私みたいな凡人とは違うのかな。


「というわけで、一旦帰ってから3時集合ね」

頭をぽんっとされてキュンってする。


ついさっきまで3か月以上口をきいてなかったのに、ほんの十数分で事態が目まぐるしく動き出してついていけない。



これは現実…?

それとも…夢?



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